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コミックマーケットに行って、ニッチな技術系同人誌を探そう!

ニッチでエッジな技術本をゲットしよう! 第3弾
~IT技術者向けコミケ 実際に買ってきた編(2014年冬版)

コミックマーケットに行って、ニッチな技術系同人誌を探そう!(3)


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『同人イベントに電子マネーを紛れ込ませる。/第2版+実践導入編』

 同人イベントへの電子マネーの導入に、実践編を加えた第2版。

 コミケで初めてSuicaなどの交通系ICカードによる決済を実現した、自転車操業さんによる、「導入」および「初使用時の運用レポート」です(この方法は、EdyやWAON、クレカなどの決済にも対応しています)。

 本の前半は、個人での機材のレンタルや、モバイル環境で電源をどうするかの話、また、導入に際するお金にまつわる話がまとまっていました。後半は、使用当日に起きたトラブルの話でした。通信トラブルを中心とした話でしたが、とても興味深かったです。

 私は、電子決済を導入している別のサークルで、売り子を2度経験しています。そのサークルでは、違う経路で決済機械を借りています。そのため発生するトラブルが、まったく別のものでした。ここら辺は、経験していないとまったく予想がつかないなと思いました。

表紙
表紙
本の情報
本の名前 同人イベントに電子マネーを紛れ込ませる。/第2版+実践導入編
配置スペース 火 東メ-60b
販売サークル 自転車操業 サイト Twitter
発行サークル 自転車操業 サイト Twitter
著者 かざみみかぜ。
価格 98 円
ページ数 122 ページ
初版 2014年2月2日
形式 電子書籍、表紙カラー、本文カラー
目次
なぜ『サークル:自転車操業』は電子マネー端末導入までに至ったか、或いはなぜクレジットカード決済ではないのか
非接触ICカードのメリットとデメリット
で、電子マネーを使うための具体的な手段は一体全体どうしたらいいのか
改めて申し込みをするにはどうすればいいのか
電源をどうするのか
コラム:無定電源装置も買って試してみた
実際の使い方
電子マネー端末利用時におけるよくある質問と答え
実践導入編(※2)
あとがきに近いもの
第2版のあとがきに近いもの
おくづけ
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※2:2版で追加

『同人イベントに電子書籍を紛れ込ませる。/第3版』

 同人イベントへの電子書籍の導入に、カードレス配布などの内容を加えた第3版。

 自転車操業さんによる、「同人イベント(対面の手渡しイベント)での電子書籍頒布」の考察とレポートです。面白いのは、そういったことを実現するためのWebシステム「対面電書」を実際に作り、運用していることです。このシステムは、すでにコミケで、数回の運用実績があります。

 個人的な感想として、このシステムに向いていると思うのは、評論や情報系のサークルです。技術情報系のサークルも向いています。実際に今回は、いくつかのサークルで物理的な本ではなく、「対面電書」のシリアルを購入しました。

 「対面電書」を使うメリットは、物理スペースを取らないことと、金銭面でのコスト削減です。デメリットは、売れる本の冊数(読んでもらえる可能性)が減ることです。私が試した限りでは、頒布数は数分の一に減ります。自転車操業さんのように、人気サークルで、電子書籍自体がウリになっているところでなければ、この数の減少はかなり痛いです。

 利用する上で現実的な落としどころとしては、本と電子書籍の両方を売り、本がなくなったら電子書籍のみを扱う。あるいは、在庫切れした本の再販を、電子書籍で行うという感じかなと思います。

 あと、フォントの話が書いてあるのは、地味によかったです。

表紙
表紙
本の情報
本の名前 同人イベントに電子書籍を紛れ込ませる。/第3版
配置スペース 火 東メ-60b
販売サークル 自転車操業 サイト Twitter
発行サークル 自転車操業 サイト Twitter
著者 かざみみかぜ。
価格 98 円
ページ数 153 ページ
初版 2014年12月30日
形式 電子書籍、表紙カラー、本文カラー
目次
どうやって同人イベントの対面販売で電子書籍を『紛れ込ませる』か
電子書籍のメリット・デメリット
本当に紙じゃなきゃいけないのか
具体的にどうすればいいのか
では上記の問題を解決するには結局どうするのか
対面販売向け電子書籍頒布システム『対面電書』でそれが売れるのか
いかにエミュレートするのか
手渡す頒布物は何がよいのか
この売り方でのメリット
手渡す頒布カードを単価5円で済ます方法(※2)
デジカメプリントサービスでのメリット・デメリット(※2)
で、どの方式を選ぶのが一番か(※2)
デジカメプリント入稿での落とし穴(※2)
デジカメプリントと自宅印刷の複合技(※2)
コピーが完全に防げる訳ではない
フォーマット
ID とパスワードとメール認証とDRM
いざという時のカードレス頒布(※3)
説明の仕方をもう一段階スムーズにしたい(※3)
電子書籍『だから』二次創作はアウト?(※3)
ならダウンロード販売でもよい?(※3)
まとめ
『対面電書』システムを使いたい場合には
コラム:コピーをゼロにする事はできないが
あとがきに近いもの(※3)
おくづけ

※2:2版で追加
※3:3版で追加

『?ボタンでANOSモード』

 WindowsゲームのPSP移植やiOS移植について(企画者寄り)、諸般の事情で配布されなかった紙の同人誌付き。

 Windows用ゲーム「あの素晴らしい  をもう一度/再装填版」の幻のPSP移植(移植作業の終了後、開発会社の事情で出なかった)に関する、1年半の種々の実験や作業の記録、思考の過程をまとめた本です。縦横比の違う画面の移植で、試行錯誤した話や、PCと携帯ゲーム機のUIの違いの解決など、興味深かったです。

 携帯ゲーム機への移植話の後は、iOS版の開発とアップルの審査、開発後のアプリの売れ行きの話が掲載されていました。これらの話は、ゲームの移植をする人には、興味のある内容だと思いました。

表紙
表紙
本の情報
本の名前 ?ボタンでANOSモード
配置スペース 火 東メ-60b
販売サークル 自転車操業 サイト Twitter
発行サークル 自転車操業 サイト Twitter
著者 かざみみかぜ。
価格 300 円
ページ数 89 ページ
初版 2014年12月30日
形式 電子書籍、表紙カラー、本文カラー
目次
本書の取り扱いについて
この本はなに?
頒布が中止になるまでの経緯
(オリジナル版もくじ:ここから)
△ボタンでANOS モード表紙
解像度が小さい
横幅が足りない
テキストを配置する
メニュー画面を出さない
リトがマミってる
マクロの打ち直し
使ってない画像がある!
内容の細かい矛盾を直す
メニュー背景画像の意味
13 年目で初コンシューマ
おくづけ
(オリジナル版もくじ:ここまで)
昔出した紙媒体版を改めて振り返る
解像度とか画面比率の話
移植の工程について
アイコンや画面配置の話
LITE 版について
iOS 版の反響について
『空の浮動産/再装版』for iOS について
iOS の審査の話
あとがきのような物
おくづけ(?ボタン版)

『プログラミング HAL/S』

 スペースシャトル用プログラミング言語。

 スペースシャトルで採用されていたのだから優れた言語かと思って読み始めると、「げえっ!」と悲鳴を上げて、のけぞります。以下、引用です。

この言語は、開発中に時代遅れとなり、継ぎ接ぎだらけとなったが、採用しないわけにはいかなくなったという、巨大プロジェクトにありがちな駄作なのだ。正直なところを言おう。シャトルがこの言語を使いながら、コンピュータシステムで致命的な不具合を出さなかったというのは、ひとつの奇蹟だ。

 そして、HAL/Sの駄目なところが、言語仕様の解説とともに延々と続きます。くらくらきます。現代のプログラミング言語を使えて、よかったなあと思います。

 また、本書の後半に出てくるハードウェアの解説部分は、なるほどなあと思いました。同じ計算を、4つの計算機で行い、出力を多数決冗長で1台分に結合するそうです。そしてもう1台、壊れた際の予備が用意されていると。クリティカルなミッションに仕様する計算機らしい仕組みだなと思いました。

 最後に、「終わりに」から引用です。

Cのポインタの危険性を剥き身のナイフに例えるなら、HAL/SのCOMPOOLは、ピンが最初から抜かれている手榴弾に例えられるべきだ。

 どんだけなんだよ、と思いました。

表紙
表紙
本の情報
本の名前 プログラミング HAL/S
配置スペース 日 西う-03b
販売サークル 風虎通信
発行サークル 風虎通信
著者 水城 徹
価格 700 円
ページ数 68 ページ
初版 2014年8月15日
形式 オフセット、表紙カラー、本文白黒
目次

1 歴史的背景
2 変数と文字
3 演算
4 式と構文、構造
5 データ型と宣言
6 置き換え
7 入出力
8 リアルタイム
9 ハードウェアと運用仕様
10 終わりに

次のページ
『電子決済できるかな? 改訂版』

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この記事の著者

柳井 政和(ヤナイ マサカズ)

クロノス・クラウン合同会社 代表社員http://crocro.com/オンラインソフトを多数公開。プログラムを書いたり、ゲームを作ったり、記事を執筆したり、マンガを描いたり、小説を書いたりしています。「めもりーくりーなー」でオンラインソフト大賞に入賞。最近は、小説家デビューして小説も書いています(『裏切りのプログラム』他)。面白いことなら何でもOKのさすらいの企画屋です。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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