求められるのは、技術者としてのスペシャリティと旺盛な向上心
雰囲気の異なる3名だが、経歴もそれぞれ。システムインテグレーターのソフトウェア開発エンジニアだった関山氏、インフラ系ベンチャーでソーシャルゲームのインフラ部分をすべて担当していた松崎氏、そして、荻原氏はゲーム機メーカーでゲーム機が利用するネットワークサービスの開発や運用に当たっていたという。いずれも何らかの分野でスペシャリティを極めるも、最先端の技術に触れたいというモチベーションからAWSのサポートエンジニアを希望したとのことだ。
入社直後3ヶ月は、実際にAWSのサービスを動かしながら、eラーニングや座学による研修と、実際のサポート業務のトレーニングが行われる。はじめの頃は先輩メンターが伴走するが、半年後には一人で業務を任されることになる。そのときには自らのスペシャリティにおいても自然と「教える立場」にもなっているという。
「本当にいろんなバックグラウンドの人がいて、しかもトップクラスの人ばかり。そんな環境でそれぞれ自分の強みを活かしつつ、教え合う文化があります。食わず嫌いだった技術の新しい魅力を発見したし、自分も得意領域で貢献していかなくてはと、気が引き締まりますね」(松崎氏)
さらにそうした教え合いの文化は、仕組みにも反映されている。月に2~3回開催される「Brown Bag」と名付けられたセッションでは、ランチを持ち寄り自分の得意なサービスや技術情報を紹介し合う。また、新しい取り組みなど「やってみた」ことを発表するLT(Lightning Talk)大会も定期的に開催されている。自身のスキルアップのために自由に時間を使えるDevelopment Dayも、月に1日は自由に取得することができる。
「新サービスが登場すれば、当然しっかりと時間をとってトレーニングが受けられます。そうした業務に直結したものだけでなく、新しい情報の収集や活用のための取り組みも推奨されているのは、クラウドサポートのチームがエンジニアのスキルアップを重視しているからといえるでしょう。日々小さな成果が得られ、気づかぬうちに技術力が高まっているように感じますね」(関山氏)
そして、AWSという最先端の環境を使い放題というのも、エンジニアには魅力的だろう。問い合わせに対しての研究・検証に加え、新サービスや新機能を走らせてみたり、自身でシステムを組んでみたり、様々な目的に自在に使える。
「入社後の研修期間から『Personal Project』と題して自分でAWS上にサービスを作るんです。自分自身で実際にいろんなシステムを走らせてみると、陥りがちなトラブルや技術的に苦労する部分があらかじめわかってくる。そこで得られた知見から、お客様にも前もって適切なアドバイスができたときはうれしかったですね。また、技術者としても外部にいては見ることのできないAWSの裏側も見ることができて、得難い経験をさせてもらっているなと思います」(荻原氏)
技術のエキスパートとして集中できる仕事環境
3人が口を揃えて「考えていた以上にギーク」と語るように、AWSのクラウドサポートエンジニアには、自身の興味関心を追求しつつ、それをユーザーへと還元できる環境が提供されている。そしてその恩恵は、あくまでプロアクティブに動けるエンジニアだけが享受できるものだ。
外資系ならではの自発性に基づくスペシャリティを重視する考え方は、働き方にも色濃く反映されている。たとえば、サポート業務についてはシフト制が組まれており、夜間については海外にいるチームが引き継ぐ。
「エンジニアの場合、どうしても時間をオーバーして取り組みがちですが、シフト制でスパッと切り変えることが当然なので、だらだらと残業している人はまずいませんね。やたらと長いミーティングや事務仕事もないし、ドキュメンテーションも分業化されている。エンジニアとしてのスキル向上とサポート業務に集中できる環境が整っています」(松崎氏)
また、在宅勤務制度もあり、台風などの災害時はもちろん、ほぼ全員が日常的に利用しているという。有給休暇の消化率も高く、女性だけでなく男性の育児休暇の取得者も多いという話からも、仕事とプライベートのバランスを上手く取ることが望ましいとする外資系ならではの社風が感じられる。
「フラットさも大きな特徴かもしれませんね。在職者の年齢層については、25歳から40代半ばくらいと幅が広いのですが、それをことさら意識する雰囲気はないですね。そもそも自分自身も入社面接時に聞かれたことがないし、仕事をしていて年齢を意識したことがない。仕事をする上で同僚に求めるのはあくまで技術力と人間性という雰囲気なので、変な軋轢がないんです」(関山氏)
さらにスペシャリティは、クラウドサポートエンジニアだけでなく、彼らを支えるスタッフにおいても発揮されている。
「マネージャーやトレーニング担当者など、困ったことがあればサポートしてもらえる体制が整っているのは安心ですね。前述したような『Brown Bag』などのトレーニングも、煩雑な準備はトレーニング担当者が対応してくれるので、エンジニアは資料の作成に専念できるんです。だから、それぞれの仕事のクオリティがとても高いし、効果も出やすい。目的意識が明確なんですね」(荻原氏)
そうなると、技術以外の面で唯一自助努力が必要になるのは「英語」かもしれない。スムーズな会話ができずとも、海外のエンジニアとのメールやチャットでのやりとりは日常的に行われるため、技能としては必須。しかし、英語によるコミュニケーションの経験が全くなかった人も、自然と使えるようになっているという。
「技術をもっと極めたい、お客様の問題を解決したい、その思いがあれば、自然と技術力も英語力も身に付いてくる。そんな恵まれた環境であることは確かです」(荻原氏)