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Android Studio 2で始めるアプリ開発入門

Androidアプリでのメディア再生

Android Studio 2で始めるアプリ開発入門 第12回


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音声ファイルの再生

 それでは、音声ファイルの再生処理を記述していきましょう。

メディアプレイヤーの準備

 Androidで音声ファイルを再生するにはMediaPlayerクラスを使用します。以下のソースコードを記述してください。

リスト1 MediaControlActivityにソースコードを追加
public class MediaControlActivity extends AppCompatActivity {
    private MediaPlayer _player;  // (1)
    private Button _btPlay;  // (2)
    private Button _btBack;  // (2)
    private Button _btForward;  // (2)

    @Override
    protected void onCreate(Bundle savedInstanceState) {
        super.onCreate(savedInstanceState);  // (3)
        setContentView(R.layout.activity_media_control);  // (3)

        _btPlay = (Button) findViewById(R.id.btPlay);  // (4)
        _btBack = (Button) findViewById(R.id.btBack);  // (4)
        _btForward = (Button) findViewById(R.id.btForward);  // (4)

        _player = new MediaPlayer();  // (5)
        String mediaFileUriStr = "android.resource://" + getPackageName() + "/" + R.raw.mountain_stream;  // (6)
        Uri mediaFileUri = Uri.parse(mediaFileUriStr);  // (7)
        try {
            _player.setDataSource(SoundStartActivity.this, mediaFileUri);  // (8)
            _player.setOnPreparedListener(new PlayerPreparedListener());  // (9)
            _player.setOnCompletionListener(new PlayerCompletionListener());  // (10)
            _player.prepareAsync();  // (11)
        }
        catch (IOException e) {
        }
    }
}

 上記(3)はあらかじめ記述されているコードです。

 現在押せないようになっているボタンですが、後に押せるように変更します。そのためにフィールドとして保持し、onCreate()内で中身を取得しておきます。それが(2)と(4)です。

 同様に、MediaPlayerオブジェクトに関しても、他のメソッド内で操作するので、フィールドで宣言し、onCreate()内でnewします。それが(1)と(5)です。

 このMediaPlayerで再生する音声ファイルを指定するのがsetDataSource()メソッドです。その際、第1引数としてコンテキストを、第2引数として音声ファイルのUriオブジェクトを指定します。それが(8)です。

 なお、事前に第2引数で使用するUriオブジェクトを生成しています。それが(6)と(7)です。(6)でURI文字列を生成しています。アプリ内のリソース音声ファイルを表すURI文字列は

android.resource://アプリのルートパッケージ/リソースファイルのR値

で表します。ここでは、アプリのルートパッケージである「com.websarva.wings.android.mediasample」を直接記述せずにgetPackageName()で取得しています。

 (7)では、こうして生成されたURI文字列からUriクラスのparse()メソッドを使用してUriオブジェクトを生成しています。

 音声ファイルの指定ができたら、このファイルを読み込んで再生準備をさせますが、非同期で準備させた方が安全です。それが(11)で、prepareAsync()メソッドを使います。その際、準備が完了したときの処理を行うリスナクラスの設定が必要です。それが(9)です。リスナクラスは後で記述します。

 同様に、音声ファイルの再生が終了した際に行う処理のリスナクラスを設定しているのが(10)です。こちらも後で記述します。

[Note]なぜURI指定か?

 音声ファイルを指定する際、直接R値を指定する方法もあります。

 ただ、MediaPlayerクラスは音声ファイルだけでなく、インターネットのストリーミングを再生することもできます。その場合は、URI文字列としてURLを記述します。

 このように、さまざまな音声メディアに対応できるように、URI指定となっているのです。

 また、「再生準備」や「準備ができたときのリスナクラス設定」などの回りくどい方法もこういったストリーミングに対応するためです。

リスナクラスの記述

 では、リスナクラスを記述しましょう。MediaControlActivityに以下のメンバクラスを追記してください。

リスト2 MediaControlActivityにリスナクラスを追加
private class PlayerPreparedListener implements MediaPlayer.OnPreparedListener {

    @Override
    public void onPrepared(MediaPlayer mp) {
        _btPlay.setEnabled(true);  // (1)
        _btBack.setEnabled(true);  // (1)
        _btForward.setEnabled(true);  // (1)
    }
}

private class PlayerCompletionListener implements MediaPlayer.OnCompletionListener {

    @Override
    public void onCompletion(MediaPlayer mp) {
        _btPlay.setText(R.string.bt_play_play);  // (2)
    }
}

 再生準備が完了した時のリスナクラスはOnPreparedListenerインターフェースを、再生が終了したときのリスナクラスはOnCompletionListenerインターフェースを実装します。いずれも、MediaPlayerのメンバインターフェースです。

 ここでは、準備が整った時に押せなかったボタンを押せるように変更しています。それが(1)です。また、再生が終了したときには、ボタンの表記を「一時停止」から「再生」に戻すようにします。それが(2)です(後で出てきますが、再生開始と同時に表記を「一時停止」に変更します)。

 この状態で、一度アプリを起動してみてください。先ほど押せなかったボタンがタップできるようになっているはずです。ただ、タップするとエラーでアプリが終了します。これは、タップ時の処理が記述されていないからです。次にそこを記述しましょう。

再生と破棄

 まず、再生ボタンをタップした時にメディアファイルを再生させるよう記述していきます(他の2個のボタンは後で処理を記述します)。これは、ボタンのonClick属性で指定したメソッドonPlayButtonClick()に記述していきます。以下のソースコードを追記してください。

リスト3 MediaControlActivityにボタン処理を追加
public void onPlayButtonClick(View view) {
    if(!_player.isPlaying()) {  // (1)
        _player.start();  // (2)
        _btPlay.setText(R.string.bt_play_pause);  // (3)
    }
}

 メディアの再生はstart()メソッドを使用します。それが(2)です。その後、ボタンの表記を「一時停止」に変更します。それが(3)です。ただし、これらは、すでに再生中の場合は行いません。そのために再生中かどうかの判定を行っているのが(1)です。MediaPlayerクラスのメソッドisPlaying()で再生中かどうかを確認できます。

 ところで、MediaPlayerをアクティビティ中で使用した場合、アクティビティの終了と同時に確実にMediaPlayerオブジェクトを解放しておく必要があります。その処理をonDestroy()メソッドに記述します。

リスト4 MediaControlActivityにMediaPlayerの解放処理を追加
protected void onDestroy() {
    super.onDestroy();  // (1)

    if(_player.isPlaying()) {  // (2)
        _player.stop();  // (3)
    }

    _player.release();  // (4)
    _player = null;  // (5)
}

 (1)は親クラスのonDestroy()の呼び出しです。

 MediaPlayerの解放は(4)と(5)です。release()メソッドで解放し、さらに、変数をnullにすることで確実に解放します。ただし、その前に、メディアが再生中なら停止する必要があります。その処理が(2)と(3)です。(2)で再生中かどうかを判定し、(3)で再生を停止します。停止メソッドはstop()です。

 これで一通りのソースコードが記述できましたので、アプリを再起動して、再生ボタンをタップしてみてください。音声が流れます。

 再生中はいくらボタンをタップしても変化ありませんが、再生が終了したらボタンの表記が変更され、もう一度再生できます。

 また、再生途中でバックボタンをタップし、アクティビティを終了したら(ホームボタンでは終了しません)、再生が終了することが確認できます。

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一時停止と状態遷移

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 齊藤 新三(サイトウ シンゾウ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook <個人紹介>WINGSプロジェクト所属のテクニカルライター。Web系製作会社のシステム部門、SI会社を経てフリーランスとして独立。屋号はSarva(サルヴァ)。HAL大阪の非常勤講師を兼務。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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