幅広い技術を武器に少数精鋭でお客さまのニーズに応える
創業8年目ながら、インフラの専門家集団としてゲーム系をはじめエンタープライズ系のインフラの設計、構築、運用、さらにはWeb系の開発まで手がけているgrasys。同社の最大の特徴は、「大規模なインフラ」に携われること。ゲーム系であれば1コンテンツでWebサーバ400台、データベースは300ノードという規模は同社では、管理可能なスケールだ。エンタープライズ系では、官公庁や東証一部上場のグループ企業、ITサービス系ではログインページや会員登録ページに用いられるパズル認証サービスなどのインフラを担当している。
そんなインフラ専門家集団grasysのマネジメントをしているのが、Cloud Infrastructure Division Managerの中島健氏である。中島氏の前職はソーシャルゲームのインフラエンジニア。その職場で共にインフラエンジニアとして働いていたgrasysの創業者であり代表を務める長谷川祐介氏に誘われ、grasysにジョインしたという。
現在、中島氏がマネジメントするCloud Infrastructure Divisionのメンバーはリーダーを含めて9人。扱っている案件は、「ゲームの案件が非常に多いですね。僕も長谷川も元々ゲーム会社にいたので、その当時からの縁で今でもたくさんの案件で声を掛けていただいています」(中島氏)
だが最近は、Web系やエンタープライズ系の仕事が4割を占めるなど、増えているという。そしてプロジェクトマネージャー(以下、PM)が活躍するのはWeb系やエンタープライズ系の案件。少数精鋭で案件を担当するため、中島氏もエンジニアのマネジメントだけではなく、「PMとして現場を指揮することもあります」と語る。
PMとして活躍しているのは、中島氏だけではない。2020年8月にgrasysにPMとして入社した山田賢一氏もプロジェクト計画の策定やお客さまとの折衝などPMとしての役割にまい進する傍ら、「プレイングマネージャーとして、自らクラウドインフラの構築やシステムアーキテクチャの設計を担当することもある」と言う。
山田氏の前職は開発職。転職活動では、開発経験を生かしてITエンジニアやデータエンジニア、ITコンサルなどさまざまな職種の選考を受けていた。「マネジメント経験は若干ある程度で、その頃はPMというキャリアは頭にありませんでした」と山田氏は当時を振り返る。
開発リーダーポジションのオファーももらう中で、grasysから受けたオファーはPMという役割だった。「自分のエンジニアとしての今後を考えた結果、PMというキャリアへの挑戦を選び、grasysに入社を決めました」(山田氏)
サーバーサイドの開発経験があればインフラエンジニアに転身できる
Cloud Infrastructure Divisionでは、PMもインフラエンジニアに関しても山田氏のように開発経験者を採用しているという。「サーバーサイドの開発経験があれば、お客さまがどういったことをやりたいのかをくみ取る力に長けているからです。そしてサーバーサイド開発経験のある人は、インフラにも触れているはず。その経験を生かした上で、当社でさらなるインフラの知識を身につけてもらえれば、十分やっていけると思います」(中島氏)
実際、サーバーサイドの開発をしていたエンジニアが、インフラ領域の知識を身につけたいという思いから、grasysに入社するケースが多い。「サーバーサイドの開発者は、ある一定のアクセス数を超えると、プログラムの改善だけでは解決できず、困った経験があるからです。そこから先はインフラの知識やカーネルのチューニングの知識が必要になります。そういう経験のある人は、当社に興味を持ってもらえるのではないでしょうか」(中島氏)
サーバーサイドの知識があり、インフラに興味がある方なら、grasysではどんな技術スタックが用いられているのか気になるところだろう。
「当社はマルチプラットフォームをうたっているため、Google Cloud、AWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azureが基本の作業環境となります。その上でお客さまの環境に合わせてインフラを構築していく。つまりお客さまのご要望にお答えすることに私たちは注力をしています。そのため、当社のエンジニアは何か飛び抜けてできるというよりも、幅広く技術を知っていることが重要になります」(中島氏)
同社の案件では、インフラをコードで構築することが多いため、プログラミング言語の知識は必須となる。「Go言語を使うことが多いが、CでもC#でも、Javaでも何でもいいので、好きな言語があるといい」と中島氏。それよりも先述したように幅広い技術が必要になることから、「技術が好きな人、仕事が楽しめる人でないと当社で活躍するのは難しいかもしれません」と中島氏は言う。
同社のエンジニアは趣味でもプログラムを書いている人や新しいチャレンジをすることに意欲のある人が多く、「技術に対していい意味でプライドを持っている人が多いと思います」と山田氏は付け加える。
インフラの経験がなくても心配することはない。「今どんなスキルを持っているかよりも、自分に足りないモノを吸収して、お客さまに貢献したいというスキルを得て使うことへの貪欲さが重要だと思います。あと、何でも良いので自分の強みを持っていることです」(山田氏)
そんなgrasysの気になる社風や文化についてだが、「非常にラフで、基本的に仕事さえきちんとしていればごちゃごちゃ言われることはありません」と中島氏。山田氏は「全エンジニア間で情報共有する仕組みができており、非常に風通しがよく連携が取れた組織」と話す。
障害が起きたときや技術的に困ったときに、プロジェクトの垣根を越えてサポートしあうのはもちろん、障害が検知された時などは、誰かが必ず「大丈夫か」という声を掛けてくれる。
「全員で一つのチームという体制ができているのは、grasysの強みだと思います」と山田氏は言い切る。中島氏も「一人ひとり、検証の環境を持っているのですが、結果は全員で共有しています。興味のある技術やサービスが話題になると、すぐに触ってみようという話になるなど、全員で情報共有するという意識は強いですね」(中島氏)