SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Power Automate Desktopチュートリアル

「Power Automate Desktop」のエラー処理──自動化フローを停止させない方法

Power Automate Desktopチュートリアル 第25回

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

例外発生時アクションを繰り返すことでエラーを処理する

 エラー内容によっては、フローを特別なものに分けるのではなく、同じアクションを繰り返して、時間経過やユーザー操作で原因が解消される場合があります。

 ここでは例として、フォアグラウンドウィンドウの存在が無いとエラーになってしまうアクションを使用したサンプルを紹介します。

 フロー内容は、Google Chromeで現在開かれているタブのタイトルと、URLを取得して、CSV形式のテキストファイルに記録するもので、処理自体は今回の本題ではないのでコピー&ペーストでフローを作成します。

[1]新しいフローを作成する

 Power Automate for desktopを開きます。トップ画面から[+新しいフロー]をクリックして、適当な名前で新規のフローを作成します。

[2]フローを貼り付ける

 配布サンプルの[開いてるタブのブックマークのCSVを作るフロー.txt]をメモ帳などのテキストエディタで開きます。

[3]コードをクリップボードにコピーする

 内容をすべて選択して([Ctrl]+[A])、コピー([Ctrl]+[C])します。

図:コードの全選択とコピー
図:コードの全選択とコピー

[4]コードをペーストする

 デザイナーのフローの部分を右クリックしてコンテキストメニューを表示して、貼り付けを選択します。キーボードで[Ctrl]+[V]を押すことでも貼り付けできます。

図:コードの貼り付け
図:コードの貼り付け

[5]フローが作成される

 コードの内容が、アクションによるフローになることを確認します。

図:貼り付けたフロー
図:貼り付けたフロー

[6]実行する

 あらかじめ複数の異なるページを開いたChromeウィンドウを用意しておきます。そのまま、実行して何もしないでいると、「Chromeを制御することができませんでした。」という実行時エラーになります。

 実はフロー開始後、素早くChromeウィンドウを選択すると、フローが実行されます。

図:ウィンドウを取得できないエラー
図:ウィンドウを取得できないエラー

 エラー処理で、ユーザーがChromeウィンドウを選択するまでフローを終了しないようにします。

[7]処理を繰り返す

 [新しいChromeを起動する]アクションの設定を開き、[エラー発生時]ボタンをクリックしてエラー発生時を開きます。

図:アクションの繰り返し設定
図:アクションの繰り返し設定

 以下の選択をして保存します。

  • すべてのエラー:フロー実行を継続する
  • 例外処理モード:アクションの繰り返し

[8]実行する

 あらかじめ複数の異なるページを開いたChromeウィンドウを用意しておきます。フロー開始後、何もしない場合でも、フローは終了しません。Chromeウィンドウを選択するとフローが続行されます。

図:実行結果(URL取得)
図:実行結果(URL取得)

まとめ

 通常の想定外の状態が起きた場合も続行できるフローにするための方法を紹介しました。

 自動化のフローにおいて、開始後は人手を介さずに処理を完了するフローを目指しますが、エラー発生時のオプションを利用することで、より多くの状況に対応した停止しないフローを作成できます。

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Power Automate Desktopチュートリアル連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

WINGSプロジェクト 飯島 聡(WINGSプロジェクト イイジマ サトシ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/18924 2024/02/06 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング